小森白監督 1964
フイルムは二度と観ることができない幻の作品となってしまったが、スチルは何枚か残されている。
写真の石抱きは、身に覚えの無い火付けの罪で捕らわれた娘の拷問シーンとのこと。奇譚クラブ1965年3月号で、おもだか・しの氏が語っているので、引用する。
――娘の悲鳴と苦悶の表情、演技力もある。ついに娘の太股の上には、さらに、伊豆石がのせられる。(中略)娘はうなり声をあげ、額からは、あぶら汗をしたたらせる。ついに石の上に顔をふせて悶絶する――
乳首が縄の結び目で隠されているのは大人の事情であろうが、かえってエロく見えるとも指摘されている。
……このシーンを動画で見ることができた者を、羨むばかりである。
大映 安田公義監督 1968
主人公お波は、脱獄を企んだ疑いで鍵役から詮議を受ける。
「三枚抱かせろ!」
石が一枚増やされるたびに、「ううっ」と呻き声が高まる。
三枚目の重石が積み上げられると、鍵役は石に足を掛け、思い切り揺さぶった。
お波の悲鳴が、拷問蔵に響き渡った。
ナックジャパン 1997
相方の居場所を問われて拷問される、主人公のお菊。
石を抱かされた上で背中に笞が飛ぶ。二枚目の石が重ねられ、前後左右に激しく揺さぶられると、泣き声が高まった。
さらに「ええい、手ぬるいぞ!」と、重石を足で踏まれて体重を掛けられる。
石抱き拷問シーンとしては、最も厳しく派手な作品であろう。
フジテレビ 1983
無実の罪で牢に入れられた主人公なおは、牢内の規律を乱した咎で拷問に掛けられた。
「何を言おうとした!」
重石が二枚、三枚と重ねられるたびに、呻き声が上がる。囚衣の襟が汗に濡れて良い感じ。
大江戸捜査網 487話「罠に落ちた女ねずみ」 1981
仲間の居場所を問われて、石抱きの拷問に掛けられる、義賊のお駒。
「しぶとい女だ。仲間がおったことくらいわかっておる! 吐かねば、いま一枚石を抱かせるぞ。吐け!」
……言うまでも無いが、囚衣の裾を捲って直に座らせたほうが、より厳しい責めとなる。