駿河問い


駿河問い
『 拷問刑罰史 』 名和弓雄著 雄山閣 より



     駿河問いとは

 両手首、両足首をそれぞれ縛り合わせ、背中側でひとまとめにして釣り上げる拷問。背中に重石を乗せることもある。
 釣られた被疑者を何回転もまわして釣り縄にねじりを掛け、戻る反動で勢いよく振り回す。ねじりが解けるまで、右に左に回り続ける。
 やがて、全身から汗と脂が、鼻や口から血が噴き出すという。

 この拷問は、駿河町奉行、彦坂九兵衛が考案したといわれており、切支丹宗徒などに対しておこなわれた記録がある。


     駿河問い・体験

 駿河問いに掛けられました。
 縄を掛けるのは、後ろに回した両手首と、両足首のみとします。
 シンプルな形が一番苦しく、余計な縄を追加すると苦痛が和らいでしまいます。
 床に腹這いになり、一本の縄の両端で、右手首と左手首を縛ります。
 もう一本の縄の両端で、右足首と左足首を縛ります。
 そして、それらの縄をチェーンブロックのフックに掛けて、吊し上げます。
 手首と足首が離れすぎないように、また上体が下がりすぎないように縄を調整すると、見栄えが良いです。
 胸が床から離れ、身体が揺れます。
 縄が手首に食い込み、耐え難い痛みです。
 屈辱ながらも、一旦下ろして頂きました。

駿河問い

 ちょっとズルをして、手首に布を巻いた上から縛って頂きました。
 そして、再度吊り上げ。
 手首、足首に縄が食い込みますが、なんとか耐えられそうです。
 しかし今度は、背中・腰の痛みがとても辛くなってきました。
 この上さらに背中に重りを載せられたら、とても耐えられない拷問だと思います。

駿河問い

 さらにズルをして、胸に掛けた縄に体重を分散させました。
 これならば、しばらく吊られていることができそうです。
 そこで、駿河問いの極意であるところの、回転を味わってみることにします。
 身体が回され、吊り縄に捩りを掛けてゆきます。五回、十回。
 手が離され、ゆっくりと回り始める身体。
 視界が横へ横へと流れてゆく、不思議な感覚。
 ……しかし縄の捻れが弱いせいか、回転する速度が遅いようです。
 もっと、ぐるんぐるん回されてみたい。
 吊り縄を工夫して、より強く捻りが掛かるようにしました。
 再度、身体を回されます。五回、十回と。
 そして、今度は勢いよく回り始める身体。

駿河問い

 呻き声が漏れます。身体中から汗が噴き出します。
 尋常でない、目眩と吐き気。
 目をつぶっても、頭の中がぐわんぐわんします。
 気持ち悪くて、気持ち良い!
 これ以上回されたら嘔吐する、というところで、信乃は折れました。
「お許しください、申し上げます……」

 身体を降ろされた後も気分の悪さは治まらず、しばらくは上体を起こすことすらできませんでした。


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